個人事業主が休眠会社を活用して法人成り

個人事業主として事業を拡大していった結果、事業の継続性や節税の観点から法人化をした方がいいという場合があります。個人事業から法人になることを法人成りといいますが、方法は二つあります。一般的には新規に法人を設立する方法ですが、もう一つは休眠会社を買うという方法です。

休眠会社を買い取ると面白いメリットが得られます。休眠会社というのは、登記上存在していますが、事業実態が全くない会社です。それでも法人格はなくなっていないという点が面白さを生むのです。まず、その休眠会社が宅地建物取引業等の許認可を持っている場合、それを労せず引き継ぐことができるのです。許認可の種類によってはその取得までに長い期間を要するものもありますが、休眠会社を手に入れるだけで得られるというのは面白いメリットでしょう。また、休眠会社が法人税法上の欠損(過去に発生した赤字)を持っている場合に、買い取った後の事業から生まれる所得を欠損の繰越控除により相殺することで法人税の節税ができる可能性があるという点もメリットです。

さらには、休眠会社の設立時期以降のすべての社歴を獲得し設立後の年数を稼げるというのも面白い点です。もちろん、隠れ債務がないかどうか、金融機関のブラックリストに載っていないか等の調査はしっかりする必要がありますが、法人化をする場合の有望な選択肢の一つとして休眠会社を買い取るというのは面白いやり方でしょう。